【流 通】TOPPANデジタル 安定的に読み取り可能なインデックスICタグを開発

TOPPANデジタル株式会社は、一般的に他のパッケージの読み取りを妨げるとされる金属素材のパッケージが混載されていても対応可能なインデックスICタグを開発した。主に病院における医療製品のSPD(※1)管理を目的に、2025年11月より販売を開始する。

この製品は長距離通信でタグの一括読み取りができるUHF帯タイプで、通信距離が異なってしまう異素材のパッケージが密集している状態であっても安定的に数メートル単位の長距離通信ができる。ラベルの一部を貼り付け、先端部分を突出させて使用する。医療製品の入出庫・棚卸業務などをスムーズに行うことができる。

多くの医療製品や薬品を扱う医療医薬業界において、医療従事者は業務の正確性が求められる一方で、通常業務に加えて医療品の発注や棚卸し作業もする必要があり、その高い業務負荷による発注漏れや使用期限切れなどの発生が懸念されている。またあらゆる業界において人手不足が深刻となる中、限られた人数であっても正確な物流管理を行うことのできる効率化の施策が求められている。

そこで近年、RFID(※2)技術による医療製品管理の業務効率化が注目され、病院内のSPD管理に活用され始めているが、プラスチック・紙・アルミなど様々な素材のパッケージが密集して保管されている状態では、十分に読取りができないケースが多く見られた。特に金属は電波を遮断し、他のパッケージの読み取りを妨害するという課題があった。

TOPPANデジタルはこれまで培ってきた独自のアンテナ形状技術により、ICタグアンテナと読み取りアンテナの位置関係が正対していない状態でも電波が回り込むことのできる汎用広指向性モデルを製品化してきた。今回はその技術を応用最適化しアンテナ設計を工夫することで、非金属・金属を問わず、あらゆる素材のパッケージにも展開可能なインデックスICタグを開発した。パッケージが密集し、ICタグが積層状態になった状態においても読み取り性能が安定し、医療医薬業界における物流管理の効率化に貢献する。


※1 SPD

Supply(供給)、Processing(加工)、Distribution(流通)の頭文字を取った略称。「院内物流管理システム」またはその業務そのもの


※2 RFID(Radio Frequency Identification)

電磁界や電波などの無線通信を用いて、ICタグなどの情報を非接触で読み書きする自動認識技術


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