【知 識】村田製作所と立命館 STEAM教育推進に関する協定を締結
村田製作所と立命館は、STEAM教育(*)の推進を通じて、次世代を担うイノベーティブな人材の育成および日本の理科教育の革新を促す教育モデルの創出に寄与することを目的に、2025年7月に協定を締結いたした。
7月に立命館大学びわこ・くさつキャンパス内にオープンした「グラスルーツイノベーションセンター(通称 GIC(ジーアイシー)」ならびに、今後滋賀県守山市に開設を予定している村田製作所の子ども向け科学体験施設での連携や、STEAM教育に関する教材・教育プログラムの共同開発や実施をはじめとした連携・協力を進める。
未来の予測が困難な時代において、デジタル・AI技術の革新など、産業構造の変化が急速に進んでいる。経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」からも、高度な科学技術の理解に加え、問題発見力、予測力、革新性といった非認知能力を持つ人材への需要の高まりが見受けられる。つまり「豊かな科学技術への関心・知識および専門性を基盤に、人間や社会のあり方を俯瞰しながら、起業家精神を発揮し、世界中の人々の新たな価値創造に挑戦・共創できる人材」が求められる社会へと変容している。
一方、教育政策研究所の調査によると、国際的にみても日本の小学生は理科への関心が高いにも関わらず、中学生以降はその興味が急速に薄れ、理系進路への志向が低下している。結果として、理・工・農分野を専攻する学生の割合は低く、将来的な人材不足への懸念などが報告されている。理科好きの心を育て続け、理系の学びが社会とつながる価値を実感できる教育環境やプログラムの更なる整備が、今まさに求められている。
村田製作所はエレクトロニクス業界をリードするモノづくり企業として、将来イノベーションを起こす人材を育成するためSTEAM教育活動に取り組んでいる。2006年からモノづくりを支える技術者の仕事内容や楽しさを伝える「出前授業」を開始し、現在ではプログラミングに必要な論理的思考を養うコンテンツなどを用い、全国の事業所近隣の学校を中心に年間100回ほど実施している。さらに2020年には村田製作所みなとみらいイノベーションセンター内に子ども向け科学体験施設「Mulabo!」を開設し、科学や電気の基本を楽しく学べる展示やイベントを行っている。また地方自治体と連携した次世代育成の推進や、大学と理工学への興味促進に関する共同研究を行うなど、産官学連携による活動にも積極的に取り組んでいる。
立命館は学園ビジョンR2030に基づき、世界水準の研究・教育展開を核とした次世代研究大学ならびに次世代探究学園の構築を目指し、小学校から大学院まで一貫した人材育成に取り組んでいる。立命館高校が2002年度から現在に至るまでスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されるなど各附属校で理系人材育成の取り組みを重ねている。また2019年に立ち上げた社会起業家支援プラットフォーム「RIMIX(リミックス)」では、一貫教育型アントレプレナーシップ教育を国内に先駆けて推進しており、アイデアの具現化や社会への新たな価値創造ができる人材の育成を目指している。
村田製作所と立命館は協定を契機に、実社会と教育現場を繋ぐ体験の循環を実現し、STEAM教育の推進を通じて、次世代を担う人材育成および日本の理科教育を関西から変えていく教育モデルの創出に寄与する。
* STEAM教育
この協定において、STEAM教育とは「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)に、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等をA(liberal Arts)として加え、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等の横断的な学習のこと」と定義されている
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