【知 識】塩野義製薬と仏・Cilcare 難聴に関する共同研究契約を締結

塩野義製薬はフランス企業のCILCAREとの間で、難聴に関する新薬創出を目的とした共同研究契約を締結した。

難聴は世界中で約5億人が罹患している深刻な健康問題で、その発生率は大幅に増加しており、2050年までに世界人口の4分の1が、さまざまな聴覚障害を経験すると言われている。さらに、難聴は認知症発症の最大のリスク因子であり、難聴を取り除くことで、認知症の発症リスクを減少させることが報告されている。しかし現時点では、詳細な病態メカニズムは不明で有効な治療薬がないため、アンメットニーズが高い。その中で、Cilcareは難聴に対する高い非臨床研究技術と臨床ノウハウを有している世界有数の企業であり、塩野義製薬とのオプション契約のもと、難聴に対する治療薬候補の開発を進めている。

共同研究では、塩野義製薬の創薬力とCilcareの難聴研究の専門性を融合させ、難聴における新規メカニズムの新薬創出を行う。またCilcareが有する難聴の非臨床評価技術を塩野義製薬に移管することで、両社による共同研究を加速させ、早期に開発品を創製することが可能になる。さらに今後の継続した開発候補品の創出に向けて、Cilcareが有する臨床試験データを活用することで、難聴に対する臨床外挿性の精度を高める非臨床ケイパビリティの獲得を目指す。


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