【物 流】埼玉県でローソン店舗活用したドローン配送の実証実験を実施

KDDI、KDDIスマートドローン、ローソン、ちちぶ結いまちと埼玉県秩父市の5者は協力し、ローソン店舗を活用したドローン配送の実証実験を2025年2月12日に行った。この取り組みは環境省の事業にも採択されており、秩父市内の物流営業所から配送される荷物を、ローソン店舗や道の駅などの中継拠点(モビリティハブ)に一時集約し、そこからドローンや移動販売車両を活用して、個人宅までのラストワンマイル配送、物流業界の課題解決およびCO2排出量の削減を目指す。

実証実験ではドローンがモバイル通信を利用した遠隔自律飛行で運行され、電波の届きにくい山間部では衛星ブロードバンドのStarlinkを活用することで通信環境が確保される。この取り組みは人手不足が深刻化する物流業界において省人化を図り、買い物困難者への支援にも寄与することが期待される。また、物流業界は日本のCO2排出量の約2割を占めており、少量の荷物でも効率的に配送できるドローンの活用によって、CO2削減が見込まれる。

秩父市は災害時や観光渋滞などによって生活交通や物流の維持が困難な状況を解決するため、共同配送の取り組みを進めてきた。令和4年(2022)度には、中津川地区における県道の土砂崩れに伴い孤立した住民向けに、Starlinkを活用した国内初となるドローンによる定期配送を実施した。中山間地では少子高齢化が進んでおり、生産年齢人口が減少しているため、特に物流業界では配送トラックのドライバー不足が顕著であった。また人口減少に伴い配送荷物も減少し、トラックの積載率が低下することで配送コストが膨らむという課題も抱えている。

このような背景を踏まえ、今回の実証の効果を検証し、有効性を評価することで、今後のさらなるユースケースの検討やドローン配送の複数エリアへの拡大を目指す。


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