【環　境】大阪ガスと三菱重工業　デジタルプラットフォームの万博導入に向け運用開始

大阪ガスと三菱重工業は、二酸化炭素（以下　ＣＯ２）の流通を可視化し、ｅ－ｍｅｔｈａｎｅ（以下　ｅ－メタン）の環境価値を証書化するクリーンガス証書の移転や管理を行う都市ガス業界初のプラットフォーム「ＣＯ２ＮＮＥＸ（コネックス）」の運用を、２０２５年日本国際博覧会（以下　大阪・関西万博）での導入に向けて、２０２５年２月１８日に開始した。

大阪・関西万博では同プラットフォームを利用し、大阪ガスのｅ－メタン製造・利用実証（以下　万博実証）で製造されるｅ－メタン・バイオガスやそれらの原料（ＣＯ２・Ｈ２）の量、ライフサイクルにおけるＣＯ２排出量のデータを蓄積して可視化するとともに、実証により創出されたクリーンガス証書の利用を管理する。

また東邦ガス、日本ガスと北陸ガスが製造したｅ－メタン・バイオガスのクリーンガス証書を、ＣＯ２ＮＮＥＸを通して移転し、大阪ガスが万博会場へ供給する天然ガスに利用することで、大阪・関西万博のカーボンニュートラル化に貢献する。なお、日本ガス協会が出展するガスパビリオンおよび万博実証のエリアでは、このクリーンガス証書の移転をシステム化する都市ガス業界での先進的な取り組みに関し、動画を用いて来場者に紹介する。

ＣＯ２ＮＮＥＸの運用にあたっては、日本ガス協会からアドバイスを得るともに、大阪・関西万博向けにクリーンガス証書のやりとりをする東邦ガス、日本ガス、北陸ガスと、システムの概念実証でもアドバイザーであったＩＮＰＥＸと意見交換を行い、ユーザーの利便性やクリーンガス証書の取引・管理における信頼性の向上を目指していく。

今後、ｅ－メタンやカーボンリサイクル燃料（ｅ－ｆｕｅｌ・ＳＡＦ・グリーンＬＰＧ）のようなＣＣＵ（ＣＯ２の再利用）とあわせてＣＣＳ（ＣＯ２の貯留）の実用化も見込まれる。ＣＯ２の流通管理が可能であるＣＯ２ＮＮＥＸを、具体化が進むＣＣＳ実証事業に実装することも検討し、ＣＯ２バリューチェーン構築におけるマネジメントシステムとしての展開を目指す。

なお２０２４年４月１日より、クリーンガス証書の民間運用が開始されており、国内各地で製造されたｅ－メタン・バイオガスの環境価値をクリーンガス証書にする動きが進んでいる。今後万博実証をはじめとし取引量はさらに増加すると見込まれるため、クリーンガス証書の移転や管理を行うシステムが必要となる。

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