【物 流】日本農業 八戸港を活用した青森県産りんごの海上輸送を本格稼働開始

日本農業は2024年11月より、八戸港を利用した青森県産りんごの船舶輸送の本格稼働を開始した。物流の「2024年問題」への対策として、輸出する青森県産りんごを八戸港から京浜港まで船舶で運び、安定した輸送方法を確立し、さらなる輸出拡大を目指す。

2024年4月以降、働き方改革関連法によってトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制が適用されることで、労働力不足やコスト増加などが生じる物流の「2024年問題」が、国内の輸送力低下に大きな影響を及ぼしている。日本農業弘前支店がある青森県弘前市から京浜港までのトラック輸送にかかる時間は、適用前と比べ1運行あたり約10時間増加しており、製品の製造を前倒しする必要がある。また人手不足により車両が確保できないケースも発生しており、喫緊の課題となっている。

日本農業は「日本の農業で、世界を驚かす」をミッションに、生産から販売までを一気通貫で担い、産業の構造転換を目指している。2016年の設立より日本産りんごの輸出を手がけ、2023年はりんごをはじめとした日本産農産物の輸出額は25億円(前年比207%)を超える。さらに事業拡大をするにあたり輸送手段を確保するため、物流の「2024年問題」に対する一手として、2023年10月より国土交通省東北地方整備局の支援のもと、八戸港からの青森県産りんごの船舶輸送のトライアルを実施した。3度の検証を行い、トラック輸送に比べ3~13%のコスト増加となるが、リードタイムやりんごの品質もトラック輸送と変わらず問題ないことが確認されたため、2024年11月より本格稼働を開始する運びとなった。

2024年シーズンは、さらなる青森県産りんごの輸出拡大を目指しており、約185%増加する輸出に対して1割ほどの貨物を海上輸送する。稼働状況により海上輸送を増やすことも検討していく。八戸港を活用した効率的かつ安定した輸送形態を構築し、青森の基幹産業であるりんご産業に貢献できる邁進する。


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