【知 識】アース製薬と花王 タイにおいて"虫(蚊)ケア"領域で協業

アース製薬と花王は、蚊による感染症課題の解決に貢献するという共通の志から、虫(蚊)ケア領域での協業を開始した。花王が開発した「蚊の翅や体を濡らすことで蚊の飛翔行動を妨げる技術」を応用し、生活場面の"いつでもどこでも"蚊を駆除できるスプレー「ARS Mos Shooter(アース モスシューター)」を共同で商品化し、アース製薬が約40年間に渡り現地に根付いた活動をしているタイで、2024年7月より発売する。

デング熱は蚊が媒介するウイルス性感染症のひとつで、感染者は子どもが多く、重症化すると死に至ることもある。現在、デング熱には、予防するワクチンや治療薬がないため、デングウイルスの感染を防ぐためには、媒介する蚊に刺されないことや、蚊の発生を防ぐことが重要な対策となる。経済的な負担が大きいといった理由で、東南アジア諸国を中心に長年の社会課題となっている。近年、地球温暖化や急速な都市化によりデングウイルスを媒介する蚊の生息エリアが拡大していることから感染者が増えており、2023年のデング熱感染者は世界で過去最多を記録した。

アース製薬は1980年にタイに現地法人を設立し、現在では虫ケア用品「ARS」ブランドをはじめとする商品の開発・生産・販売・物流までを展開している。タイの生活習慣やニーズを掘り起こし、現地に根付いたビジネスで成長を遂げてきた。また商品のみならず、保健省や学校などの教育機関とともに消費者に向けた啓発活動も進めている。

花王はこれまでとは違う視点で蚊から身を守る独自の研究を進めており、2023年に蚊の翅や体表面を濡らすことで飛翔を妨げ、ノックダウン状態にする新たな技術を開発した。この技術は従来の化学合成殺虫成分を使用しないという点で、使用場面の拡大に寄与できる可能性がある。

両社は蚊による感染症課題の解決に貢献するという共通の志のもと、新しい視点の蚊を駆除するスプレーを展開すり。同商品はデング熱で苦しむ人々の一助となるとしている。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です