【知 識】サミットエナジーとNEC 電力の需給調整市場に参入

サミットエナジーとNECは協業し、電力の需給調整市場に参入した。市場への供出量は、サミットエナジーが保有するサミット美浜パワーの17MW 級ガスタービン2基、15MW級蒸気タービン1基を活用して発電した電力のうち、最大7.5MW。

協業により、サミットエナジーは発電リソースの提供と、市場価格や発電リソースの状況等を鑑みた入札戦略・運転計画の立案を行う。NECはリソースアグリゲーター(※1)として、独自のリソースアグリゲーションクラウドサービス(RAクラウドサービス)を活用し、発電リソースの管理のほか、アグリゲーションコーディネーター(東京電力ホールディングス)(※2)からの制御指令に基づき、発電リソースに対して制御指令の伝達を行う。

需給調整市場は、一般送配電事業者が周波数制御・需給バランス調整を行うために2021年に開設された。近年では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)の普及が進んでいるが、再エネは自然条件によって出力が変動するため、需給調整市場で取引される「調整力」を確保し、需要と供給を一致させることが重要とされる。

サミットエナジーは、長年にわたり発電・需給管理・小売を一貫して行い、安定した電力を供給してきた。今後、再エネの普及に伴い電力供給が不安定化することが危惧されているが、需給調整市場を介した調整力の提供や高度な予測技術の活用等を通じて、電力供給システムの安定性向上に寄与する。また、こうした電力供給の安定性向上の取り組みと、従来より取り組んできた再エネ供給の更なる増加を通じ、地球環境への負荷軽減にも寄与する。

NECは2016年からVPP実証事業に参画し、「調整力」を確保するために必要不可欠な、AIによる予測技術、IoTによる分散電源の制御技術に関する研究開発を進めてきた。今まで培ってきたノウハウを活かして、再エネ主力電源化に向けて課題となる電力需給の安定化に対して、「予測」「計画」「リアルタイム制御」などの技術で寄与していく


※1 リソースアグリゲーター

需要家とVPP(バーチャルパワープラント)サービス契約を直接締結してリソース制御を行う事業者

※2 アグリゲーションコーディネーター

リソースアグリゲーターが制御した電力量を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事業者


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です