【物 流】大林組 水素輸送におけるモーダルシフトでCO2排出量を8割以上削減
大林組は大分県玖珠郡九重町で製造されたグリーン水素を、トラックによる輸送から鉄道へ切り替え、輸送時のCO2排出量を82%削減した。鉄道による水素輸送は、国内初の取り組み(※1)だった。
大林組は岩谷産業から受注した兵庫県の施設の建設現場で、CO2排出量削減に資する各施策の実証に取り組んでいる。その中の施策の一つとして、仮設現場事務所に設置した水素燃料電池による電力供給を行っている。これまでは大分県玖珠郡九重町で製造しているグリーン水素を月1回程度、トラックで輸送していたため、再生可能エネルギーにより製造されるグリーン水素は製造時にCO2を排出しないという利点がある一方で、長距離輸送時のCO2排出量を削減する輸送手段を検討する必要があった。
大林組はJR貨物、全国通運および江藤産業の協力により、輸送経路の大半をトラックから鉄道に切り替えるモーダルシフト(※2)により、大分県玖珠郡九重町~兵庫県神戸市の現場の片道にかかるCO2排出量を0.347tから0.062tに8割以上の削減を達成した。
大林組は、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050(※3)」で掲げる「脱炭素」の実現に向け、2022年10月に取得したSBT認定に沿った取り組みを推進することで、建設現場におけるCO2排出量削減に限らず、資機材輸送時などを含めた施工に係るサプライチェーン全体でのCO2排出量削減を目指していく。
※1 鉄道による水素輸送は、国内初の試み
(高圧ガス保安法等関係法令の制限・基準の範囲内での輸送)
2023年12月時点 JR貨物調べ。
※2 モーダルシフト
トラックなど自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。1tの貨物を1km運ぶ(=1トンキロ)ために排出されるCO2の量は、トラック(営業用貨物車)が216gであるのに対し、鉄道は20g、船舶は43gと少なく、地球温暖化対策として有効とされている
※3 Obayashi Sustainability Vision 2050
大林組は2011年に中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」を策定し、再生可能エネルギー事業の推進など環境に配慮した社会づくりに取り組んできた。このビジョンをより発展させ、さまざまな社会動向や大林グループを取り巻く事業環境の変化を捉え、経営基盤としてのESGや社会課題であるSDGsの達成への貢献を取り込み、大林グループ一体で「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを同時に追求するため、2019年6月に「Obayashi Sustainability Vision 2050」へと改訂した
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