【流 通】トレンドマイクロ 2024年セキュリティ脅威予測を公開

トレンドマイクロは2024年の国内外における脅威動向を予測したレポート「2024年トレンドマイクロ セキュリティ脅威予測」を公開した。主なトピックとして、生成AIの悪用によるインフルエンスオペレーションの拡大があげられている。

AI分野で様々な進歩が見られる中、特に生成AIはなりすましや情報窃取において攻撃者の強力なツールにもなっている。ビジネスメール詐欺(BEC)、スピアフィッシングなどのソーシャルエンジニアリング手法を用いて、デジタルと現実の境界をあいまいにさせる。ディープフェイクの手口としては、多くのAI駆動ツールが洗練され、リアルタイムで本物に酷似した音声や映像の偽装表現が可能になってきている中、特に音声クローニングにおいて近い将来、詐欺での悪用が増えると同社は予測している。そしてこの場合、AIにより相手の音声模倣を行うには、特定の個人から多くの音声ソースを集める必要があるため、特定のターゲットに絞った脅威となってくるであろうとしている。

AIブームはすでに政治にも影響を及ぼしており、ニュージーランドとアメリカでAI生成の画像が政治広告に使われていることがそれを証明している。特にアメリカや台湾では、2024年の国民選挙に向けて、AIが政治的な誤情報の増加に寄与すると予想されている。SNSなどを活用して世論を操作するインフルエンスオペレーションの拡大が懸念される。AI技術の利用が容易になる中、このように特定の標的を狙い、説得力のある詐欺の手口が2024年にはよりいっそう拡大・活発化してくるだろうと予測している。


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