【流 通】太陽工業 獣害対策向けに「コンクリートキャンバス」を拡販

太陽工業は、水をかけるだけで高耐久なコンクリートマットができる特殊セメント封入布「コンクリートキャンバス」(以下 CC)の獣害対策効果について実証実験を行ってきた。今回、農地のイノシシなどによる掘り起しに対して保護効果があることが検証できたため、CCを獣害対策向け製品として、農地や公園、道路、地下ケーブルの管理者などを対象に2023年7月より本格的に販売する。

野生鳥獣による農林水産被害額について2021年度は155億円(「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」農林水産省)にのぼる。数年に渡って減少傾向にあるが、農林水産省は「鳥獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加、さらには森林の下層植生の消失等による土壌流出、希少植物の食害等の被害ももたらしており、被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしている」(「鳥獣被害の現状と対策」令和5年4月農林水産省)としている。

イノシシなどが農地へ侵入することを防ぐ対策として防護柵が作られることが多くなっているが、防護柵を張り巡らせてもイノシシが柵の下から潜り込み農作物が食い荒らされた、光ケーブルなどの重要な地下埋設物周辺の地面をイノシシが掘起したなどの事例も多く見られる。

イノシシの侵入を防ぐには防護柵が効果的だが、柵の地際部や地下埋設物周辺の掘起しを防ぐには耐久性の高い材料で地面を覆う必要がある。今回、水をかけるだけで高耐久なコンクリートマットができる特殊セメント封入布CCで地面を覆うことで、このイノシシの侵入を防ぐ効果があることを実証実験で確認できた。


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