【流 通】安藤ハザマとスガキカイ 山岳トンネル施工管理システムを開発

安藤ハザマはICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM(R))」の開発を推進している。この一環として、トンネル現場の重機機械・プラントの稼働状況を把握し、作業工種を判別することで省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res」を菅機械工業(以下 スガキカイ)と共同開発した。

Hi-Resは「トンネル掘削の実績サイクルチャート自動生成」「作業工種に応じた最適な換気制御」「デマンド監視と使用電力量制御」等の機能を備えている。電気信号を得ることができる機械設備であればHi-Resと接続できるため、エンジン駆動の重機なども対象とすることができ、掘削方法やズリ運搬方法の制約を受けない。

山岳トンネル工事では、一般に掘削から吹付け・ロックボルトまでの一連の作業を繰り返すことで施工を進める。この作業サイクルにおける無理・無駄を排除することによる生産性の向上が重要になる。そのため、昼夜の作業状況を作業日報などから分析し作業の最適化を図ってきたが、手間を要すため、より精度良く効率的な情報収集技術が求められていた。

近年ではトンネル切羽に設置したカメラ映像から作業状況を解析するなどの新技術導入も進んでいるが、これらの情報は教師データ作成の手間や、精度の面で課題が残されていた。

また昨今のエネルギー事情を背景に、無理・無駄を無くした適切な仮設備運用を行う技術が求められ、スガキカイが工種別風量自動制御システム「i-Res(NETIS QS-180047-A)」を開発、提供している。安藤ハザマとスガキカイは、これをさらに発展させ「Hi-Res」を開発した。

複数の山岳トンネル現場への展開を行っており、安藤ハザマの実績で最大68%削減、平均61%削減の省電力効果を確認した。また既存の日報等と比較して、より精度の高いサイクルチャートが得られることを確認し、各サイクルにおける余裕人員の配置見直しなどに役立てている。

現在、工事におけるCO2発生量の演算や、Web進捗管理表、斜線工程表の自動生成など、さらなる機能拡充を進めており、今後もHi-Resを通じ山岳トンネル工事の環境負荷低減と職員‧作業員の業務省力化‧効率化を促進する。


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