【環 境】住友電工など4社 新しいCCUS技術の商用化に向けた基本合意締結

住友電気工業(以下 住友電工)、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行と関西イノベーションセンターの4社は、カーボンニュートラルを目指すすべての顧客に対して、住友電工が開発を進める新しいCCUS(※1)技術を活用したソリューションの提供に向けた協業の基本合意を締結した。また協業の一環として、新しいCCUS技術を活用したCO2吸収装置の実演とCO2を原料に含むセラミックス(以下 CO2由来セラミックス ※2)の展示商談会を開催する。なお、この展示商談会は関西イノベーションセンターが運営するイノベーション創出拠点「MUIC Kansai(以下 MUIC)」の課題解決プログラムで実施する。

世界的に気候変動問題への対応が急務となる中で、カーボンニュートラル社会の実現に向けた現実的かつサステナブルな技術創造が社会課題となっている。カーボンニュートラル社会の実現には、CO2の排出量削減だけでなく、CO2を吸収するCCUS技術の活用が必要不可欠である。三菱UFJ銀行は協業を通じて、住友電工が有する新しいCCUS技術を用いたCO2吸収装置、CO2由来セラミックスの製造プロセスと、三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行が有するネットワークや総合金融グループとしての知見を掛け合わせ、カーボンニュートラルに資する過去に類のない技術の商用化へ向けて取り組みを進めることとした。

具体的には2022年12月から新しいCCUS技術を活用したビジネス創造に向け、 CCUS技術を活用したビジネスのマーケティングや事業計画策定・MUIC内でのCO2吸収装置の実演とCO2由来セラミックスの展示による認知度向上、パートナー企業との接点拡大・当該CCUSによって削減されたCO2に相当するカーボンクレジット創造の検討・CO2吸収装置設置による新しいソリューション提供の検討CCUS技術を活用している不動産の新しい不動産価値検証を中心に4社で検証していく。


※1 CCUS

(Carbon capture and utilization and storage)

二酸化炭素の回収・有効利用・貯蔵の略語。火力発電所や工場などからの排気ガスに含まれる、CO2を分離・回収し、資源として作物生産や化学製品製造に有効利用する、または地下の安定した地層の中に貯留する技術

※2 CO2由来セラミックス

CO2由来セラミックスは1kgあたり約0.4kgのCO2で構成されている。約0.4kgは、約50万リットルの空気中(400ppmCO2)に含まれるCO2量に相当する。CO2由来セラミックスに含まれるCO2は温室効果ガスとして作用しないため、同セラミックスを用いた素材・製品が保有されている期間、植林やCO2の地下貯留と同等の温室効果ガスの吸収作用が得られる。密閉空間でセラミックスを分解することでCO2を取り出すことができる。セラミックスの種類や製法は、その原料や用途に応じて数種類をラインナップする予定にしている。この技術は東京都市大学・江場宏美教授の指導の下開発された。江場教授は物質・材料研究機構でCO2を吸収する素材を探索中、入手しやすい金属がCO2を吸収することを発見した


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