【アジア】日立造船 中国で廃棄物資源循環システム実証事業に採択

日立造船は国際協力機構(JICA)中華人民共和国事務所と中華人民共和国科学技術部(以下 中国科学技術部)が実施する「2021年度中華人民共和国科学技術部日中連携事業(第2期)」において、「食品・繊維系廃棄物からのエタノール発酵の技術および実証プロジェクト」をテーマに採択されていたが、今回、同社と中国側パートナーおよび協力機関の間で共同実証に関する契約が成立し、北京市で廃棄物の適正処理・資源化システムの実証事業を行うことが決定した。

この事業は中国における「環境(省エネルギー含む)」「医療」「防災・減災」の課題解決に貢献することおよびこれらの課題解決に貢献できる技術を有する日系企業と中国側パートナー(研究機関や大学など)が協力し、中国での実証試験などを通じて産業化を目指し、中国の課題解決に貢献するとともに、日系企業の中国ビジネス展開の促進を目的としている。

日立造船は契約により同社が有する一般廃棄物からのバイオエタノール製造技術を活用した廃棄物の適正処理・資源化システムの実証事業を2022年6月から2024年12月(予定)まで行う。

同社は2008年から廃棄物の資源循環の促進およびエネルギー回収率向上を目的に、一般廃棄物に含まれる厨芥類、紙類からバイオエタノールを製造する研究開発に着手し、2011年度には環境省の実証事業において、京都市で1回あたり1トンの一般廃棄物を受け入れ、機械分別からエタノール製造までの一貫システムを開発した。さらに2013年度には同じく環境省の実証事業で、1回あたり5トンの一般廃棄物を用いてシステムの大型化、技術の高度化を実現した。

日立物流のバイオエタノール製造技術とシステムは、混合収集された廃棄物を独自開発した機械選別技術によりバイオマス原料を高精度に選別し、廃棄物系バイオマスを高効率にエネルギーや資源に変換する統合型な廃棄物処理であることを特長にしている。


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