【流 通】大成建設 地下水流動を考慮した止水壁・浄化壁の配置設計支援システムを開発
大成建設は汚染された地下水の拡散防止対策として、地下水流動シミュレーションと最適化アルゴリズムを組み合わせ、止水壁・浄化壁の配置設計を支援するシステムを開発した。
施工計画を策定する際、このシステムを用いて短時間で千件を超える配置案を解析し、その結果を踏まえ汚染濃度分布や施工における制約条件を考慮した最適な配置設計の検討に適用することができる。 現在、汚染された地下水の敷地外への拡散防止対策として、地下水の流れを遮断する止水壁(※1)や、地下水を透過させて汚染物質を分解または吸着させる浄化壁(※2)などが用いられている。止水壁は低コストで確実な拡散防止効果を得られるが、地下水の流れを阻害するため下流側の地下水位が低下し、周辺地盤の沈下などが生じる可能性がある。
一方、浄化壁は地下水の流れを遮断しない点で有効だが、鉄粉や吸着剤などを充填して構築されており止水壁よりも高コストになるため、現状では止水壁と浄化壁を併用する方法が採用されている。また、これらの配置設計を行う場合、専門技術者が地下水の流れの方向や流速、施工条件などを考慮して複数の設計案を検討し、地下水流動シミュレーションなどの結果を基に、過度に地下水位低下などが発生しないよう周辺環境への影響が小さい配置を選定してきましたが、多大な労力と時間を必要としていた。 そこで、大成建設は地下水流動シミュレーションと汎用最適化アルゴリズムを組み合わせて、複数設計案を効率的に解析し、地下水流動を考慮した止水壁・浄化壁の最適配置を自動的に導き出す新しい設計支援システムを開発した。汚染サイトを想定したモデルを用いて本システムの有効性を検証した結果、従来手法よりも効率よく最適な配置案を求められることが確認された。
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