【物 流】商船三井 世界初 商業運航コンテナ船の無人運航実証実験に成功

商船三井、商船三井グループ2社とコンソーシアム企業(※)は日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」に一環として、福井県敦賀港から鳥取県境港の運航で、世界初となる商業運航コンテナ船による無人運航実証実験に成功した。 

※ コンソーシアムメンバー 商船三井、三井E&S造船、古野電気、井本船舶、A.L.I.Technologies、商船三井フェリー、MOLマリン&エンジニアリング 商船三井のコンソーシアムが取り組む無人運航船プロジェクトは「内航コンテナ船」と「内航フェリー」という特徴の異なる2隻で実験を行い、両船型の相違点や共通点を明らかにし、汎用性のある技術開発に繋げることと、係船作業の自動化を目指して、ドローンを用いた係船実験を行うことの2点が、無人運航船プロジェクトMEGURI2040における大きな特徴となっている。

2020年にMEGURI2040が開始されて以降、無人運航船の実現に向けて、各種要素実験に取り組み、2021年10月にMOLマリン&エンジニアリングが所有するシミュレーターを使用して安全検証を行った上で今回の実験を行った。 今回の実験では三井E&S造船が開発した自律操船制御システムを用いて、自船の位置情報の正確な把握、風や潮流など様々な外的要素、個船ごとの特有の操船性能・操船装置構成、船舶に適用される航行ルール、の計4点を考慮しながら事前に策定したルートに沿って航行した。

設定した航路上に他船や障害物がある際は、それらを古野電気が開発した自船周囲情報統合システムによって把握し、その情報を基に自律操船制御システムが策定した安全な避航ルートを航行した。また自動離着桟では、特に繊細な操船が必要になるため、古野電気が開発した離着桟支援センサーからの情報を自律操船制御システムで用い、離着桟を行った。

「係船作業の自動化」については、通常の着桟作業では、乗組員が係船策を投擲して岸壁にいる作業員へ渡すが、当実験ではA.L.Iが開発した自動飛行ドローンが係船策を岸壁へ運搬した。

今後技術を成熟させていくことで、船員の高齢化が進む中で負担の大きい係船作業の代替え手段となることが期待される。 今後も汎用性の高い技術開発に向け、内航コンテナ船と特徴の異なる内航カーフェリーを用いた無人運航実験も予定している。


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