【環 境】伊藤忠商事 食品バリューチェーンの最適化に向けてシノプスと業務提携

伊藤忠商事は需要予測型の自動発注システムを展開するシノプスと、食品ロス削減・物流の効率化を実現する食品デマンド・チェーン・マネジメント(需要側から得られる情報を基点として商品開発、生産・供給計画、流通、販売体制などを統合的に編成する情報管理手法)構築に向けた業務提携契約書を締結した。 

農林水産省の推計によると2019年度の国内の食品ロス量は年570万トンで、このうち商品の製造、流通過程を含む食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は309万トンと半数以上を占めており、食品流通業界は食品ロス削減への対応が求められている。

また、労働力不足や高齢化、物流コストの上昇といった課題が顕在化している中、持続可能な社会の実現に向けて、トラック輸送の生産性向上・物流業務の効率化等を通じたホワイト物流の推進に対する社会的要請が高まっている。 シノプスは小売の販売データに基づいた需要予測値をもとに、自動発注・在庫最適化ソリューションを展開している。1980年代から需要予測・自動発注の分野に着目し、開発したシステムは特許を取得している。

今後はシノプスの需要予測・自動発注におけるノウハウと、伊藤忠商事の多様なネットワークを活かして、小売業の需要情報を、卸・メーカーに対して一気通貫で連携させる食品のデマンド・チェーン・マネジメントを構築していく。将来的には両社での合弁会社設立も視野に入れ、食品バリューチェーン全体の需給最適化を実現し、食品ロスの削減やホワイト物流推進運動への貢献を目指す。


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