【知 識】横浜国立大学とDTS 受験生のプレゼンティーズム可視化研究を開始
横浜国立大学大学院工学研究院・杉本千佳准教授とDTSは2026年6月、「受験生(中学生、高校生)のプレゼンティーズム」(※1)に着目し、学習コンディションを可視化する""学習支援AIモデルの構築""に向けた共同研究を開始した。
「受験生のプレゼンティーズム」とは、健康問題に起因して本来発揮できるパフォーマンスが低下している状態を表す「プレゼンティーズム」の考え方を教育の場面に応用し、集中力や理解度、学習意欲、学習遂行能力が低下している状態と捉えている。
この研究では、受験生本人のアンケート等による主観評価と、ウェアラブルデバイスのセンサデータをもとに算出される睡眠、活動、ストレス、集中度などを表す客観指標を組み合わせ、受験勉強期間における学習コンディションに影響する要因を分析する。そこから、学習コンディション向上に最適な介入による支援につなげ、将来的には受験生が一人で抱え込まず、安心して学習に取り組める個別最適な学習支援の実現を目指す。
また共同研究の成果を学習現場で活用可能なサービスへと発展させるため、学習塾・予備校、通信教育事業者、オンライン学習サービス事業者などとの実証も視野に入れ、共同研究に協力いただける教育事業者を募集する。
受験生は、入学試験の本番に向けて学習コンディションの管理が求められる。しかし睡眠や疲労、不安など学習以外の要因により、本来の実力を十分に発揮しにくい、受験生のプレゼンティーズムに陥ることがある。そのため受験生の学習コンディションを可視化・分析し、将来的には最適な休息提案や学習負荷の調整などを支援することで、心身ともに良好な受験勉強期間を過ごせる環境づくりを目指す。これにより受験生がより前向きに集中した状態で学習に取り組める時間を増やし、質の高い学習につなげることを目標とする。(※2)
共同研究では、最初のフェーズとして、受験勉強期間における学習コンディションを可視化するため、受験生本人のアンケート等による主観評価と、ウェアラブルデバイスのセンサデータをもとに算出される睡眠・活動・ストレス・集中度などを表す心理生理・行動指標を組み合わせて、受験生が本来の力を発揮しにくい「受験生のプレゼンティーズム」の状態を把握し、受験生本人や保護者、学習塾・予備校の講師にも分かりやすい形で、日々の状態を「学習コンディション」として可視化する""学習支援AIモデルの構築""を目指す。
※1 受験生のプレゼンティーズム
プレゼンティーズムとは、欠勤はしていないものの、体調不良やメンタル不調などの影響により、本来発揮できるはずのパフォーマンスが低下している状態を指す。この概念は産業保健分野等で広く用いられており、世界保健機関(WHO)等の国際的な研究枠組みでも、ハーバードメディカルスクールの研究者らが関与して開発された「WHO-HPQ(健康と労働パフォーマンスに関する質問紙)」を通じて測定・評価されるなど、健康と生産性の関係を把握する指標として活用されている。
近年はこの考え方を職場だけでなく、教育の場面にも広げ、学習に取り組んでいるにもかかわらず、体調不良やメンタルヘルス不調などの影響により、集中力や理解度、学習意欲、学習遂行能力が低下している状態を「学生のプレゼンティーズム」として捉える考え方がある。共同研究では、入学試験の合格を目指して勉強を行うために、日常の生活サイクルにおける学習の優先度が高く、受験に向けたプレッシャーや不安を抱えやすい受験生におけるその状態を「受験生のプレゼンティーズム」とする
※2 研究で得られる情報は、受験生の学習支援に活用するための参考情報であり、医療・メンタルヘルス診断、能力判定、合否予測、孤独や孤立の状態の判定を目的とするものではない
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