【流 通】新コスモス電機 ガス漏えいを可視化するARレーザーガス可視化装を開発

新コスモス電機は、ENEOSグローブ、東京ガスエンジニアリングソリューションズ、NeoRealXと共同で、ガス漏えいを可視化するARレーザーガス可視化装置「Laser Gas Visualizer」を開発した。

都市ガス、LPガスをはじめ化学プラント等で取り扱われる様々な可燃性ガス、有毒性ガス、さらには製造に使用する化学物質の蒸気は、日常生活から高度な産業現場に至るまで幅広く利用されている。

万一の爆発や中毒などの災害を防ぐため、様々なガス検知器が用いられており、近年ではレーザーを用いた遠隔ガス検知器が実用化されている。ガス漏洩の状況を的確に把握するには、刻一刻と変化する漏洩ガス拡散の様子を計測データから推定することが重要だが、これまでは熟練検査者の経験や勘に頼る面が大きくあった。インフラ設備の老朽化や熟練技能者の不足といった社会的課題が顕在化する中、熟練技能者でなくとも効率的にガス漏洩を探索できる、いわゆるスマート保安技術の導入が求められています。特に、ガス会社、プラント運営事業者、インフラ点検業務において、現場作業の効率化と安全性向上が期待されている。

波長可変半導体レーザーを用いた吸収分光法により、光路上のメタンの存在を高感度に検知する技術が実用化されており、同様の技術を他のガスへ展開する取り組みも始まっている。レーザー式ガス検知器は遠隔でガス漏洩を検知できる優れた特性を有するが、その出力は光路上のガス濃度の積算値であるコラム密度(ppm・m)という数値情報であり、三次元的なガス漏洩分布を直接示すものではない。

レーザー式ガス検知技術の本質は、レーザーによる“線の検知情報”を、作業者が直感的に理解できる“空間情報”へ変換する点にある。今回のプロジェクトでは、近年発展の著しいAR(Augmented Reality:拡張現実)技術とレーザー式ガス検知技術を統合し、リアルタイムでガス漏洩を可視化するシステムを開発した。本システムにより、遠隔検知で得られる「線情報」を検査者が理解しやすい「空間情報」へ変換する検査支援システムを提供する。

「Laser Gas Visualizer」はレーザー式ガス検知器とARグラスを連携させ、ガス漏洩をリアルタイムに“見える化”する。検知された情報は即座に処理され、作業者の視界内にガスの存在が直感的に分かる形で表示される。これにより、従来は数値と経験に頼っていた漏洩位置の把握を、視覚的に理解できるようになる。

さらに音声ガイダンスや表示制御により、作業の適正速度や注意点を提示することで、経験の有無に関わらず安全で効率的な点検を支援する。このシステムは濃度分布を高精度に三次元再構成する解析装置ではなく、漏洩の存在を早期に把握し、探索および判断を支援する作業支援型システムである。

今後、新コスモス電機とENEOSグローブ、東京ガスエンジニアリングソリューションズ、NeoRealXは、フィールドテストを経て、2027年の製品化を目指すとともに、メタンに加えアンモニア等、レーザー式ガス検知で検出可能なガス種への対応も予定している。


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