【流 通】五洋建設とライト工業 AI活用「曲がり削孔AIガイダンスシステム」開発
五洋建設とライト工業は、既設構造物直下における液状化対策工法「曲がり削孔式浸透固化処理工法」に関して、AIを活用した削孔操作支援技術「曲がり削孔AIガイダンスシステム」を開発し、現地実証実験で効果を確認した。経験の浅いオペレータでも削孔精度を約55%向上、削孔作業時間を約20%削減し、熟練オペレータと同等の施工が可能になる。
曲がり削孔は地盤内を曲線状に削孔できるため、空港の滑走路や主要建築物といった既設の重要構造物直下の液状化対策を効率的に行える。しかし設計ラインに沿って削孔するには高い技能が必要で、経験豊富な熟練オペレータでなければ計画どおりに施工できない。
開発されたシステムは、経験の浅いオペレータの削孔を支援する削孔ガイダンスシステムで、2段階の解析プログラムで構成される。第1段階のリアルタイム現在位置推定プログラムは、AI技術の1つであるディープラーニングを活用し、1ステップ前の位置データとオペレータの操作データ(削孔ビットの角度、削孔ロッドの傾斜角など)から現在の削孔位置をリアルタイムに推定する。これまでに蓄積した2,000m以上の削孔データを学習し、高い推定精度を実現した。第2段階の最適操作量算定プログラムは、現在位置での設計ラインとのズレ量とオペレータの操作データを用いて、設計ラインに近づける最適操作量を出力する。第1段階と第2段階を繰り返し実施することで、削孔全長にわたり連続的にガイダンスされる。
現地実証実験では、経験の浅いオペレータが実施工と同程度の32mの曲線削孔を実施し、効果を検証した。ガイダンス無しでは、ズレの許容限界ラインに接近したが、ガイダンスを適用することで、最大ズレ量を約55%低減し、高い精度での削孔を実現した。また最適な操作量をリアルタイムに提示することで、オペレータの判断時間を短縮し、削孔作業の時間も約20%削減された。さらに五洋建設が開発した三次元可視化ツール「Gi-CIM」との連携で、遠隔からでも削孔の進捗状況をリアルタイムで確認可能となり、出来形確認の利便性が大幅に向上した。
両社は、今後も更なる削孔データの収集とAI学習を進め、ガイダンスの基盤となる位置推定精度の一層の向上を図り、建設生産性の向上と品質確保に貢献する。同システムは、建設業界が抱える「熟練技能者の減少」という喫緊の課題に対し、「技術のデジタル継承」という形で貢献する。
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