【流 通】DNP テストの分析を軸とした教育データ活用サービスの提供開始

大日本印刷(DNP)は、学校の日常のテスト分析を中心に紙やデジタルの日々の学習データを統合・可視化し、教師の学習指導(見取り)と児童・生徒の主体的な学びを支援する新たな"教育データ活用サービス"の提供を開始する。

このサービスは、自治体の教育データ基盤や学習eポータル・デジタル教科書・教材等を連携させることで、児童・生徒一人ひとりに合わせた多様な学びの提供につなげる。DNPが提供するデジタル採点システム「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント」とも接続し、神奈川県相模原市(一部学校)等の政令・中核市を含む全国12自治体で、児童・生徒約5万5千人を対象に実証を開始している。今後対象を順次拡大していく予定で、すでに複数の自治体で導入が決まった。

文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」により、全国の学校で1人1台の端末環境が整備され、教育データを活用して個別に最適化した学びへの期待が高まっている。2025年6月公表の「教育DXロードマップ」では、「今後、あなたの学校が再び休校した場合」という質問に対して6割以上の児童・生徒が「自分で学校の勉強をする予定を立てる自信が無い」「自分の学習の進み具合を評価する自信が無い」と答え、自律的な学びについての課題が示された。また教師の業務を効率化するとともに、多様なデジタルツールやデータの利活用により業務の質を向上することが指摘された。

DNPはこれまで、文部科学省・経済産業省・総務省の実証事業や、東京都・相模原市・奈良市との教育データ利活用研究に参画し、延べ10万名以上のテスト結果のデータ分析を行ってきた。その中で教師から、テストデータの分析が児童・生徒の自律的な学びを促すのに効果的であり、GIGAスクール端末を通じて振り返り指導から学習計画まで支援することへの期待が寄せられている。またテストを軸にデジタル教材や既存の紙のワークシートなどを統合的に可視化し、振り返りや面談へ活用したいというニーズも高く、新たなサービスを開発した。

今後、DNPは⽂部科学省が推進する「教育データ標準」ワーキンググループに参加し、学習eポータルや教科書‧教材の会社などのパートナーと共創し、データの相互運⽤と価値共創を通じて、国‧⾃治体‧学校の教育のDXをサポートする。


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