【環 境】川崎重工業 水素航空機向け燃料タンクの液化水素充填試験に国内初成功

川崎重工業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト」に採択された「水素航空機向けコア技術開発」で、国内で初めて水素航空機向け燃料タンクにおける液化水素充填試験に成功した。

「水素航空機向けコア技術開発」では、水素航空機の実現に向け、内殻と外殻からなる魔法瓶タイプの真空二重殻構造を用いた、軽量かつ高断熱のタンク技術の開発を進めていた。

その一環として、今回、直径約1.3mの軽量液化水素燃料貯蔵タンク試作モデルを用いた液化水素充填試験を実施した。

試験は宇宙航空研究開発機構(JAXA)・能代ロケット実験場(秋田県)で実施し、軽量タンクが真空二重殻軽量構造技術により高い断熱性能を発揮すること、極低温下で高い気密性を維持しつつ液化水素を貯蔵できることが確認できた。

今回の試験は「水素航空機向けコア技術開発」における3つの開発項目のうちの「液化水素燃料貯蔵タンク開発」として実施したもので、既に2024年には、「水素航空機向けエンジン燃焼器・システム技術開発」において、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験に成功し、残る開発項目である「水素航空機機体構造検討」についても現在順調に進捗しており、引き続き水素航空機のコア技術開発を牽引する。

なお「水素航空機向けコア技術開発」は、2021年から10年間をコア技術の開発期間とし、2030年にはそれらを統合したシステムとして成立性と性能を評価するための地上実証試験を計画している。

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