【流 通】東北大学 日本人と台湾人によるボディーランゲージのデータベースを公開

ボディーランゲージという言葉があるように、私たちは日々の生活の中で感じたことをしばしば身体を使って表現する。しかし、異なる感情を伝える際に私たちがどの部位をどのように動かすのかについては多くのことが明らかになっていない。

東北大学の研究チーム(※)は、台湾・中正大学の藤原健副教授との共同研究により、欧米諸国で作成されたデータベースに頼ることなくアジア文化特有の感情表現を紐解くため、アジア人を対象とした多様な感情を対象とした身体動作データベース DIEM-A(Diverse Intercultural E-Motion Database of Asian Performers)を構築した。

このデータベースには12の感情とニュートラル状態の感情表現が収録されており、97人のプロの役者(日本から54人、台湾から43人)による10,000を超えるモーションキャプチャデータ、役者によるシナリオが含まれている。役者たちが感情を表出する際に作成・利用したシナリオも日本語、英語、中国語で提供され、感情の誘因となる文化的な背景の検討に役立てることができる。

世界初となるアジア人による感情を表す身体動作データベースは、動作に基づく感情理解を目指す研究や、感情豊かなアバタの動き生成の研究などに活用されるために、研究者には無償で配布を開始した。

これらの研究を通して、キャラクターアニメーションやメタバースなどアバタによるバーチャルコンテンツなどを制作する産業界の要請にも応えることができる。

研究チームは将来的に、特定の感情を表す際の独特の動作パターンを検出し、それらの文化的差異を明らかにすることで、異文化間のコミュニケーションや相互理解を促進する研究や、それを応用したコミュニケーションツールの開発、さらに、モーションキャプチャ技術を利用する産業(ゲーム、映画、アニメーション、VR など)への応用にも展開できればと考えている。

※ 東北大学電気通信研究所 程苗(Miao Cheng)特任助教、加蕙准(Chia-Huei Tseng)教授、ビクター シュナイダー(Schneider Victor Pierre)特任研究員、北村喜文教授


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