【知 識】インテックと岩手医科大学 医療文書見落とし防止に向けAIの有効性を実証
インテックと岩手医科大学は、医療文書の見落とし防止に向けたAIの有効性に関する実証実験を2024年12月から2025年8月まで実施した。
インテックは2020年に、岩手医科大学に医療データを一元化して高度な利活用を可能にする医療情報連携プラットフォームを導入し、医療文書の見落としや確認漏れを防ぐ仕組みとして既読管理システムを構築した。今回の実証実験では、医療文書の重要所見のアラートを医師に通知するシステムの実現に向けて、複数のAIを連携し、読影レポート(※1)に書かれている重要所見を判定する手法の妥当性を検証した。
医療ニーズが多様化・複雑化する中、医療安全や医師の負担軽減を目的に、医療文書の重要所見の見落としを防ぐ仕組みづくりが重要視されている。一部の医療現場では診療医へ重要所見を通知するシステムが考案されており、判定方法として専門医による判定やキーワード判定があるものの、専門医の負担が大きいことや、キーワードにない重要所見や曖昧表現への対応が難しいという課題が残っていた。
そこで両者は共同して、複数のAIを連携させて読影レポート中の重要所見を判定する手法を開発し、特許出願と学会発表(※2)を行った。AIを導入することで所見の見落としを防ぎつつ、今回開発した手法によって重要所見のみを精度よく判定することが期待できる。実証実験では、この手法の判定結果の妥当性を実際の読影レポートで評価し、現行システムへの活用を目指している。
※1 読影レポート
CTやMRIなどの医療画像をもとに、医師が診断結果や重要な所見を記載した医療文書
※2 2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)で発表
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