【流 通】博報堂等 健康プログラムを活用して健康関心が低い層の肥満改善効果を実証
博報堂と、京都大学大学院医学研究科社会疫学分野、帝京大学大学院公衆衛生学研究科は、健康への関心が「低い」または「中間」の従業員において、プログラムへの参加が肥満の指標であるBMI(Body Mass Index、体格指数)の有意な減少につながることを実証した。3者は行動科学に基づき、エンターテインメント性のある健康プログラム「健診戦」を通じた共同研究を実施してきた。
肥満は生活習慣病の主要なリスク要因だが、健康づくりへの関心や健康行動には個人差があり、この差が健康格差の一因となっている。特に健康への関心が低い人々は、健康情報を避ける傾向があり、従来の保健プログラムでは効果が届きにくいという課題があった。近年、ゲーミフィケーション(ゲーム要素の活用)やナッジ(行動をそっと後押しする仕組み)など、行動科学を応用した新しいアプローチが注目されている。しかし、健康への関心が低い人々への効果は明らかではなかった。
今回の研究では、博報堂DYグループが開発したコミットメント、インセンティブ、ゲーミフィケーションなど複数の行動科学の要素を活用し、定期健康診断を社員が楽しめるような工夫を取り入れた健康プログラム「健診戦」の効果を、参加者の健康関心度別に検証した。分析の結果、対象者全体で、プログラム参加によるBMI減少が認められた(-0.22kg/m2)。特に、健康関心度が低い群(-0.34kg/m2)と、中間群(-0.30kg/m2)で有意な減少が見られました。この結果から、「健診戦」は「楽しさ」や「手軽さ」といった行動科学理論にもとづく工夫により、従来健康づくりに参加しにくい低関心層の行動を変えるきっかけとなり、健康格差の縮小に貢献する可能性が示唆された。
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