【物 流】シャープ 既存設備を活用して導入できるGTP方式搬送システムの受注開始

シャープは、物流倉庫で既存の設備を活用してGTP(Goods to Person)方式の搬送システムが導入できる「スリムスタッカー・ロボットストレージシステム」を開発し、2025年9月2日より受注を開始した。

物流業界ではECの拡大などを背景に物流量が増加するなか、人手不足が深刻な課題となっている。物流倉庫においては、DXやロボット活用による省人化・自動化へのニーズが高まっており、なかでもロボットがピッキング作業者のもとへ品物を運ぶGTP方式の搬送システムが注目されている。一方でGTP方式のシステム導入は、既存の設備を一時撤去したうえで搬送システムを設置する必要があるため、設置工事の間はその場で稼働を続けるのが難しく、導入における課題となっていた。

今回開発された「スリムスタッカー・ロボットストレージシステム」は、倉庫の稼働を続けながらGTP方式を導入できる。商品保管棚など既存の設備を活用してシステムを構築できるので、倉庫の稼働を続けながら導入可能で、小規模な倉庫や天井高の低い倉庫などでも導入しやすいうえ、段階的に設置可能で、これまでGTP方式の導入が難しかった倉庫や、稼働の停止が困難な現場での省人化・自動化を実現することができる。

「スリムスタッカー・ロボットストレージシステム」では搬送ロボットが倉庫内を回り、内蔵の移載アームが商品保管棚から必要な品物を集めてロボットの収納棚に積み込み、ピッキング作業者のもとに搬送する。収納棚を切り離せる新機構により、収納棚ごとピッキング作業者に受け渡す。

作業者は倉庫内を歩き回ってピッキングする必要がないため作業の大幅な効率化が図れるうえ、必要なものだけをロボットが集めた棚からピッキングするのでヒューマンエラーを抑制する。搬送ロボットは幅700mmのスリムな設計で、一般的な倉庫の通路(900mm~)をそのまま通行できる。


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