【知 識】三菱化工機と上智大学 社会連携講座の開設に向けた覚書を締結
三菱化工機と上智大学は、「フード×エネルギーのサーキュラーエコノミー化」をテーマとした社会連携講座(※1)の開設に向けた覚書を締結した。
日本の農作物やそれらの加工品の再生産価格(※2)は欧米に比べて低い。再生産価格には種や肥料、運賃、資材、労働賃金など、生産にかかる全ての費用が含まれているが、欧米では大規模農地での機械化・自動化による効率化、さらに付加価値化(ブランド化)することで販売価格や収益を向上させ、持続可能な農業・加工経営を支える基盤となっている。
これに対し日本では、生産コストの上昇分を農産物価格に転嫁する仕組みや、「積極的に転嫁したらよい」という考え方が供給者側において脆弱である上、販売価格への転嫁を需要者側が許容するという概念が弱く、供給者である農業経営者の多くが継続性・収益性の面で課題を抱えている。
一方で、生産された農作物の廃棄(食品ロス)も、廃棄物処理の際に発生する温室効果ガスによる地球温暖化、食品の生産・流通でのロスコストおよび廃棄物処理費用の負担増加、食物の有効活用がなされず世界的な食糧不足や飢餓に繋がる恐れがあるなど、グローバルな視点で解決すべき喫緊の課題と言える。
両者の社会連携講座ではこれらの課題に対し、サーキュラーエコノミー(環境負荷の低減、資源活用の効率化、経済成長の促進、新たなビジネスモデルの創出、持続可能な社会の実現)の観点から解決策の研究を進める。
※1 社会連携講座
公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施するもの
※2 再生産価格
農産物などの生産に必要なコスト(総生産コスト)が、取引価格に反映されている価格のこと
・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です
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