【物 流】森永乳業 盛岡・仙台~神戸間の流動食をラウンド輸送・モーダルシフト化
森永乳業、日本通運、日本貨物鉄道(JR貨物)と日本石油輸送は、流動食モーダルシフト推進協議会を結成し、31フィートスーパーURコンテナを活用した鉄道によるラウンド輸送を、2025年7月1日より開始した。
2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制(物流2024年問題)による輸送力不足、ドライバー不足、コストの増加など物流業界が抱えている課題は、2025年以降も続くことが想定されている。
森永乳業では、東北地区発着の広域輸送ルートにおいてトラックドライバー不足が顕著であり「運べないリスク」が高まっていた。一方、現行の鉄道コンテナを活用したラウンド輸送は往復荷の確保が難しく、往路と復路で異なる荷主を探すことも労力を費やしていた。
今回、上記4社はコンソーシアムを結成し、森永乳業専用の31フィートスーパーURコンテナを導入し、神戸と盛岡・仙台の間のうち、百済・大阪貨物ターミナル駅(大阪府)から仙台貨物ターミナル駅(宮城県)の固定ルートで往復利用することにより、これまでの課題を解決することができた。また環境面でもCO2排出量を約72%削減し、年間排出量約184tの抑制を見込んでいる。 なお、この取り組みは、流通業務の効率化を図る事業として国土交通省の「物流総合効率化法」に基づく総合効 率化計画に認定されており、「モーダルシフト加速化緊急対策事業」に採択されている。
同コンソーシアムは、森永乳業盛岡工場および神戸工場で生産している流動食を、日本通運が運送委託を受け、日本石油輸送が提供する31フィートスーパーURコンテナを使用し、JR貨物の鉄道輸送を利用した往復輸送を実施する。特に今回は仙台と盛岡という異なるエリアを結ぶため、日本通運とJR貨物が連携し、従来は空のまま回送されていたコンテナを効率的に移動させることで、「線」であった輸送ルートを「円(ラウンド)」として繋ぐことを実現した。これにより往路・復路ともに積載率を高め、安定的かつ効率的なラウンド輸送を可能となる。
4社のコンソーシアムは安定的な輸送手段の確保、輸送距離が短縮されることによるトラック運転手の負荷軽減およびCO2排出量の削減を目的として取り組みを開始した。今後も持続可能な物流体制の構築とあわせサステナブルな物流を目指していく。
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