【流 通】DNP 透明性と吸湿性を兼ね備えた医薬品包装向けPTP用樹脂シート開発

大日本印刷(DNP)は、口の中で溶ける医薬品である口腔内崩壊(Orally Disintegrating:OD)錠のような水分を嫌う製剤に対し、流通・販売時等の水分・湿気による品質低下を防ぐ乾燥剤が不要なPTP(*1)用樹脂シートを開発した。この新しいシートは4g/m2(*2)の高い吸湿性を持ちながら、中身が確認できる透明性も有している。

OD錠は一般的に湿気を吸収すると品質が低下するという特性があることから、従来の包装材は、湿気の透過を防ぐアルミ箔で覆われたアルミブリスター(*3)を使用するなどの対応が必要とされる。このアルミブリスターは透明ではなく中身が見えないため、医薬品メーカーでの包装後の錠剤の検査、調剤薬局での監査に手間がかかるという課題があった。またアルミブリスターを使わない場合は、アルミ箔のピロー型包装にPTPシートと湿気を吸収する乾燥剤を封入していたが、その手間とコストも課題となっていた。このような課題の解決に向けてDNPは今回、自社の吸湿包材技術を応用して、吸湿性のある透明なPTP用樹脂シートを開発した。

*1 PTP(Press Through Package)

薬を包装する方法の一つで、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んだシート状のもの。プラスチック部分を強く押すことでアルミが破け、中の薬が1錠ずつ取り出せる

*2 JIS K7209:2000B法準拠

*3 アルミブリスター

容器材と蓋材にアルミ箔を使用する非透明な包装形態で、水分等のバリア性が非常に高い


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