【流 通】住友林業 独自技術を多数採用した木造混構造6階建て社宅の利用開始

住友林業が設計・施工した6階建ての社宅が茨城県つくば市に完成し、2025年6月1日より利用を開始した。同物件は平面混構造(中央がRC造、両端が木造)とし、混構造用に開発した構法・部材と当社オリジナルの耐火構造部材を採用し、中大規模木造建築の技術とノウハウを活かし、設計・施工の合理化で建設コストや工期短縮を実現した。同物件を「木造混構造中大規模集合住宅」のモデルケースとして普及させ脱炭素社会の実現に貢献する。

同物件は、木造部分を含めた建物全体の水平力を全て中央のRC造に集中させ地震の揺れなどに強い構造を有している。これにより木造部分にかかる負担を軽減でき、木造柱や梁のスリム化を実現し、コストも削減した。木造は鉄筋コンクリート造よりも基礎に与える荷重が小さいため建物全体の重量を軽くでき、基礎も小さくすることができる。

また木造部分に日建設計と共同開発した「合成梁構法」を初めて採用した。のこぎり状に凸凹をつけた木梁とRC床版(鉄筋コンクリートを用いた床版)の組み合わせで梁の高さを低減し、天井高を確保した。また床に振動が伝わりやすい木造梁に対しこの構法はRC床版が木造梁の剛性を高めることで、床の振動を抑え揺れにくい床を実現した。

部材では木造部分の躯体に、国土交通大臣認定を取得した住友林業オリジナル木質耐火部材「木ぐるみCT(2時間耐火構造部材)」初採用した。耐火被覆材に特注品ではなく一般流通品のCLTや不燃材などを使用しているため低コストを実現した。耐火基準を満たしながら木材を現しとすることで木のぬくもりも感じられる。木造とRC造の接合部分にカナイグループと共同開発した「混構造用接合金物」を採用し、木造の小梁とRC造の大梁や柱を接合する金物を規格化した。一般的な木造建築の特注品と比較しコスト削減と設計作業の効率化した。


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