【環 境】伊藤園 パイロットと茶殻染色剤を活用した革小物シリーズ「茶の恵」発売
伊藤園は、「お~いお茶」などの日本茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”をアップサイクル(※1)して「茶殻染色剤」を開発した。この「茶殻染色剤」を使用したアップサイクルレザーを用いて、パイロットコーポレーションが革小物シリーズ『茶の恵(ちゃのめぐみ)』を展開、2025年6月1日より販売を開始する。
「茶殻染色剤」は緑茶飲料の製造時に排出される“茶殻”を原料とし、生地の加工工程において使用する。「茶殻染色剤」は、緑茶成分に含まれるタンニン(カテキンなど)の働きにより、革製品の製造で不可欠な鞣(なめ)し工程において原料皮の防腐性を高め、変形を抑える鞣剤(じゅうざい)としても活用できる(※2)。
※1 アップサイクル
サステナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつで、従来のリサイクル(再循環)と異なり、単なる素材の原料化やその再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的としている
※2 鞣(なめ)し
革を科学的かつ物理的に操作することにより、革に耐熱性と化学試薬や微生物に対する抵抗性を付加するとともに、表面に革らしさを生み出すために必要な工程。鞣し工程の種類には、「タンニン鞣し」「クロム鞣し」「混合鞣し」があり、その工程では鞣剤を使用する。この「茶殻染色剤」を鞣剤として使用する鞣し工程は、緑茶成分のタンニンをいかした「タンニン鞣し」である。
「タンニン鞣し」は古くは紀元前600年頃の地中海沿岸で既に行われていた。現代でも「タンニン鞣し」は行われているが、日本国内で使われる「植物タンニン」の鞣剤はほとんどが南アフリカや南アメリカからの輸入に頼っている。一方で今回開発した「茶殻染色剤」は、そのもととなる茶殻は国産茶葉を原料とした「お~いお茶」をはじめとする緑茶飲料であり、「茶殻染色剤」の生産も国内であるため、輸入コストや輸送にかかるCO2排出量の削減にもつながる
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