【流 通】味の素グループ 日本政府のブラジル支援事業と連携・プロジェクトに参画
味の素は、日本政府とブラジル政府が推進する日伯(※)グリーン・パートナーシップ・イニシアティブ(以下 日伯GPI)の取り組みの一つである「ブラジル劣化農地回復モデルに向けた実証調査」プロジェクトにパートナーとして参画する。日伯GPIは、日本の技術や知識のブラジルへの提供による「環境・気候変動対策」や「持続可能な開発」に関する協力を目的としており、味の素は連結子会社のブラジル味の素を通じて、バイオスティミュラント(BS)の開発・生産技術を活用した製品を提供し、ブラジル国内のモデル農場で土壌の劣化した農地を畑地に回復するためのプロジェクトに参画する。
2024年5月にブラジルで行われた日伯首脳会談で立ち上げられた日伯GPIにおいて、ブラジル政府が推進する劣化農地回復事業等は、持続可能な農業の実現に向けて日本が協力する主要な取り組みと位置付けられている。従来ブラジルでは、連作障害や長期的な視点での土壌管理が不十分なことによる表土の栄養分枯渇等に伴う土壌劣化が進み、気候変動への対応強化と土壌の肥沃化による農地の有効活用、および持続可能な農業生産推進などが課題となっていた。これらの課題への対策として日伯GPIは土壌回復、低炭素農業、再生農業等の技術協力と、各種資材や機材、設備等の資金協力を通じて二国間関係強化を図る。2025年3月26日付で日伯両政府が「ブラジル劣化牧野回復に係る意向表明書」(LOI)に署名したことが農林水産省より発表された。
味の素は調査プロジェクトのパートナーとして、ブラジル味の素で生産する液体葉面散布剤「AJIFOL(R)」「AMINO Arginine」等のBS製品を大豆やトウモロコシ・牧草などを育てるモデル農場に提供し、その効果検証も行う。同製品はサトウキビを主原料とするうま味調味料「味の素(R)」の生産過程で得られる副生物(発酵母液)をベースとし、各種アミノ酸を豊富に含んでいるため、農作物の生育ポテンシャルを高め収率や品質の改善が見込まれる。副生物の有効活用という側面に加え、副生物をサトウキビ畑に還元し、さらに「味の素(R)」の生産につなげるというバイオサイクルの確立により、環境負荷の削減を推進している味の素の取り組みがブラジル市場で評価されていることから、今回のプロジェクトへの参画対象製品となった。
ブラジル味の素は1956年に設立され、以降味の素グループの主要な海外法人の一つとして、調味料、食品、医薬用・食品用・飼料用アミノ酸、栄養補助食品、香粧品原料などの事業、さらに今回の採択対象となった農業用資材事業など、幅広い事業を展開している。味の素グループはアミノサイエンス(R)で人・社会・地球のWell-beingに貢献していくため「ヘルスケア」、「フード&ウェルネス」、「ICT」、「グリーン」を4つの成長領域としており、日伯GPIへの参画を通じて、持続的な農業・フードシステムへの貢献を目指す。
※ 「伯」はブラジルの略
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