【物 流】日通 高断熱性の長期間維持を実現した「プロテクトBOXサーマル」開発
日本通運はタイガー魔法瓶、岐阜プラスチックと協業し、高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発した。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の輸送に活用する。
近年、脱炭素社会の実現に向けて、物流事業者に対するCO2排出量削減の期待は非常に大きく、持続可能な物流サービスはさまざまな業界から高い関心を集めている。日本通運は「プロテクトBOX」を国内輸送の梱包ツールとして2019年に日本全国でサービスを開始し、以降、分離型や保冷輸送用、国際輸送用サービスなど、顧客のニーズに合わせたさまざまな商品を開発してきた。
従来の冷凍・冷蔵・定温輸送では、温度維持のために蓄冷材や蓄熱材の使用が必須だが、タイガー魔法瓶、岐阜プラスチック工業の技術を活用することで資材を不要とし、電力使用量の大幅な削減を実現した。
タイガー魔法瓶が開発したステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)は、ステンレスを使用し、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材である。この断熱パネルに、岐阜プラスチック工業の軽量・高強度素材である樹脂製ハニカムパネル(TECCELL)を複合させ、断熱ユニットパネルを実現した。
日本通運は、この断熱ユニットパネルをプロテクトBOXに採用することで、貨物自体の温度で庫内温度を維持したまま輸送が可能な「プロテクトBOXサーマル」を開発した。また、輸送単位を「プロテクトBOX」にすることで、ドライ貨物と保冷貨物の積み合わせ輸送が可能となり、保冷車両が不要となるため、さらなる電力使用量とCO2排出量の削減にもつながる。
「プロテクトBOXサーマル」は、大阪・関西万博において、各パビリオンや飲食店等への保冷貨物輸送に活用する。商品としては、2026年度の販売を予定しており、会期中も器材の検証を継続して実施する。
日本通運が属するNXグループは、カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けてCO2排出量削減に貢献する物流サービスを開発・提供し、これからもサステナビリティ経営をサポートしていく。
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