【知 識】Elixと昭和薬科大学 AI技術を活用した創薬に向け共同研究
Elixと昭和薬科大学は、AI技術の活用による創薬に向けた共同研究契約を締結した。
AI技術の創薬研究への応用は、研究の効率化を通じた開発期間の短縮やコスト削減にとどまらず、従来は困難とされていた創薬標的に対する新たなアプローチの可能性をも示している。また、2024年のノーベル物理学賞および化学賞がAI技術の進展に対して授与されたことからも、この領域の目覚ましい発展がうかがえる。このような背景もあり、AI創薬はすでに多くの製薬企業や研究機関にとって欠かせない技術となっている。
Elixは「創薬を再考する」をミッションとした日本のAI創薬企業で、創薬における膨大なコストと時間の削減及び成功率改善のために、AI・機械学習を中心に活用し、製薬企業・大学・研究機関・バイオベンチャーに向けた事業を行っている。主には「メドケムが本当に使える」をコンセプトに開発した統合型AI創薬プラットフォーム「Elix Discovery(TM)」を事業展開している。Elix Discovery(TM)は、AI創薬に必要なAIモデルを搭載し、直感的に使用できるユーザーインターフェースを備えており、簡単な操作により自動で最適な予測モデルを構築できるだけでなく、予測モデル等を繋ぎこんだLBDDによる構造生成、及びドッキング等を活用したSBDDによる構造生成もできる。また機械学習やケモインフォマティクスの初心者から専門家まで、幅広く対応したシステムとサポート環境を提供している。
昭和薬科大学の医薬分子化学研究室は、創薬化学と構造生物学の境界領域において、タンパク質と低分子化合物の相互作用に関する基礎研究を行っている。特に生物物理学的手法を用いて、タンパク質とリガンドの結合様式や動的な挙動を解析することで、創薬の新たな戦略を提案することを目指している。
両者の共同研究では、有機合成化学、分子生物学、構造生物学、計算化学的手法を融合させた創薬研究を進める、医薬分子化学研究室の伊藤俊将教授らの研究グループと共同で研究を進める。伊藤教授の研究室が保有する専門知識や技術に、Elixの強みである化合物プロファイル予測AI・構造生成AIを代表とするAI創薬の技術を組み合わせ、標的として名高いタンパク質に対して客観的な、そして新しい母核構造のリガンド取得を目指す。
・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です
0コメント