【流 通】関西大学と帝人フロンティア 観客の熱気を見える化する試験イベントを実施

関西大学システム理工学部の田實佳郎教授と帝人フロンティアが共同で開発を進める圧電ウェアルブルセンサー「圧電組紐」(*)をプロサッカーチームの応援タオルに縫い込み、観戦するファンがそのタオルを振り回す速さや大きさを測定・解析し、動きの強さの増減変化をアニメーションにして会場のスクリーンに写し出す試験イベントを、関西大学が実施した。

この試験イベントは2024年10月20日13時キックオフのV・ファーレン長崎対ブラウブリッツ秋田戦において、長崎スタジアムシティ「HAPPINESS ARENA(ハピネスアリーナ)」で開催されるパブリックビューイングで、KMTの協力により実施された。

「圧電組紐」はポリ乳酸からなる高分子圧電体を組紐構造としたセンサーのため、従来の硬いセンサーと違い、耐衝撃・荷重性を備え、引っ張り、ねじり、曲げ伸ばしなどの動きのセンシングが可能で、柔軟性を持つ紐構造のため、タオルやシーツ、衣服など、さまざまなファブリック構造に縫い込むことができる。

2024年7月14日に、長崎市内で開催されたV・ファーレン長崎のパブリックビューイングイベントで、「圧電組紐」を縫い込んだ応援タオルを50枚使用したデモ試験を実施した。タオルを振り回す人数や強度をアニメーションにしてスクリーンへ写し、また、スマートフォンと連動して個人のタオルの動きの強度も測定してランキング発表をするなど「応援パワーの見える化」によって大いに会場が盛り上がった。

「HAPPINESS ARENA」での試験イベントでは、デモ参加者が使う100枚の応援タオルの動きを測定・解析して「応援パワー」を可視化することで、本戦での運用状況などの実証試験を行った。

今後、関西大学と帝人フロンティアは、「圧電組紐」のさらなる技術開発や活用方法の探索を共同にて進めることで、測定・解析したデータを音声や照明、ディスプレイなどと連動させ、より臨場感を高める演出をするなど、新しいスポーツ観戦スタイルの構築を目指す。


* 圧電組紐

圧力を加えると電気エネルギーを発生するポリ乳酸繊維を圧電体に使用し、導電繊維と組み合わせて組紐状にしたウェアラブルセンサ


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