【知 識】シェアサイクル大手2社 ポート共同利用で業務提携

ドコモ・バイクシェアとOpenStreetは、両社がそれぞれ提供するバイクシェアサービスとHELLO CYCLINGで利用できる電動アシスト自転車を、双方のポートで利用・返却できる「ポートの共同利用」の実現に関し、業務提携に合意した。

バイクシェアサービスとHELLO CYCLINGは、これまでも同一の敷地を分割してそれぞれのポートを設置しているケースは一部であったが、今後は双方の自転車を双方のポートで利用できるようにすることで、土地利用の効率化と利用者の利便性の向上を図る。また自転車の再配置やバッテリー交換を協業することで、オペレーションの効率化と利用環境のさらなる向上を図り、シェアモビリティ事業の基盤強化を目指す。

シェアサイクルの市場は、新型コロナウイルス感染症を経た短距離移動に対する環境の変化のなか、自転車推進活用法が施行された2017年と比較すると、7年間でポート数が17倍に増加した(※)。同時に利用の増加も著しく、短距離移動のインフラとして定着が進んでいる。利用ニーズが高まる中、自転車の発着場所となるポートの拡大は最も利便性に影響するため、各社の事業上の重点課題となっている。また、再配置やバッテリー交換などの運営業務の最適化により、自転車を快適かつ安全に利用可能にすることも重要なテーマである。

今回の業務提携に際し、同様の事業課題を持つ両社が、ポートの共同利用および再配置やバッテリー交換の連携などについての在り方を協議してきた。これまで地域展開や自治体公募などにおいて、両社間で競合となる場面もあったが、限られたスペースの獲得競争ではなく協調していくことにより、利便性の高いサービスの提供と、事業の効率化の両立ができ、結果としてシェアモビリティ事業を地域課題の解決に資する持続可能な交通インフラとして社会に定着させることにつながると考え、業務提携の合意に至った。

それぞれの特徴として、ドコモ・バイクシェアは都心部を、OpenStreetは郊外住宅地を中心にポート設置している。両社のポートを共同利用することで、両社の資源を最大限に活用でき、利用者はより多様な場所への移動にシェアサイクルを利用できるようになる。これにより幅広いエリアへ早期にサービス提供が可能となる。なお、ポート共同利用に係る具体的な仕様については、現在、両社で協議しており、決定次第、別途公表をされる予定になっている。

※ 2017年3月末と2024年3月末のポート数を比較

2017年3月末は約1,200ポートであるのに対し、2024年3月末は約2万1,000ポート(OpenStreet社調べ)


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