【流 通】関大が開発した超小型衛星にリコーの宇宙用ペロブスカイト太陽電池が搭載

関西大学が開発した超小型衛星「DENDEN-01」に、リコーの宇宙用ペロブスカイト太陽電池が搭載され、軌道上での実証実験を行う。

「DENDEN-01」は、2024年6月4日に宇宙航空研究開発機構(以下 JAXA)への引き渡しが完了しており、2024年秋に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられた後、ISSからの放出実証実験を開始し、約半年間のペロブスカイト太陽電池の評価が行われる。今回の宇宙実証では、衛星の傾きと照度に対しての発電量をモニタリング、宇宙空間での耐久性を評価し、取得したデータは関西大学、JAXA、リコーの三者で検証する予定となっている。今回、宇宙実証としては国内で初めて、実用的なペロブスカイト太陽電池の直列モジュールを用いられる(2024年6月 プロジェクト調べ)。

従来の衛星用太陽電池は、重量が重く打ち上げにコストがかかり、宇宙線(宇宙空間を飛び交う放射線)による劣化や、十分に太陽光が当たらないと発電ができないといった課題がある。現在、地上での活用でも注目されているペロブスカイト太陽電池は、低照度での高い発電量と、宇宙線への高い耐久性、また将来的にはフレキシブル化や軽量化も可能な素材であることから、宇宙空間での活用も期待されている。

リコーは2017年から、ペロブスカイト太陽電池の宇宙利用を目的にJAXAの「宇宙探査イノベーションハブプロジェクト」に参加しており、宇宙用ペロブスカイト太陽電池の開発でノウハウを培ってきたことから、今回の衛星搭載に至った。リコーは今回の実証実験を通じて、早期の市場投入に向けて開発を加速する。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です