【流 通】花王と理化学研究所 蚊の観察に特化した仮想空間を構築
花王ヒューマンヘルスケア研究所と、理化学研究所脳神経科学研究センター知覚神経回路機構研究チームは、正確に制御したさまざまな感覚刺激に対する蚊の行動を詳細に把握できる仮想空間を構築した。
花王はこれまでの研究で、低粘度シリコーンオイルがついている表面には、蚊がとどまらないことを報告している。今回開発した装置を使った実験の結果、脚へのシリコーンオイル付着は、蚊の追跡能力低下を引き起こしました。さらに、蚊は、体験とニオイを関連づけて記憶する連合学習を行うことを確認し、嫌な体験をした際に記憶したニオイに対して回避行動を取る可能性を見いだした。
デング熱やマラリアなどの蚊が媒介する感染症によって年間約100万人が命を落としており、蚊に刺されることから身を守ることが必要とされている。花王は、化粧品などに使用される低粘度シリコーンオイルを肌に塗ると、蚊が肌にとどまらずにすぐに飛び立つ(*)逃避行動をとることを見いだし、その性質を応用した独自の蚊よけを開発した。開発の過程で、蚊がシリコーンオイルを塗った肌から飛び立った後、脚についたシリコーンオイルを拭うような動作をしていることに気がつき、シリコーンオイルに対する蚊の反応をより正確に理解できる仮想空間を構築し、実験を行った。
蚊に最適化した仮想空間の構築により、さまざまな感覚刺激に対する蚊の詳細な行動を把握できるようになった。実験の結果、脚へのシリコーンオイル付着は、蚊の追跡能力低下を引き起こしました。さらに、蚊は、体験とニオイを関連づけて記憶する連合学習を行うことを確認し、嫌な体験をした際に記憶したニオイに対して回避行動を取る可能性を見いだした。
* 低粘度シリコーンオイルは疎水性の蚊の脚にすばやく濡れ広がる性質を持ち、接触すると蚊の脚がシリコーンオイルの方に引っ張られるような強い力が働きます。蚊にとっては、この引力が脅威となり、逃避行動を誘発すると考えられる
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