【環 境】三菱重工と日本ガイシ クリーン燃料製造の膜分離脱水システムを共同開発

三菱重工業と日本ガイシは、クリーン燃料・原料の利用拡大を見据え、バイオエタノールおよびe-メタノールの製造プロセスを低コスト・高効率化する膜分離脱水システムの共同開発を行う。

今回の共同開発では、2種類の膜分離脱水システムについて開発をスタートする。

1つ目は、ガソリン代替としてのクリーン燃料および次世代航空機燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel)の原料としても注目されているバイオエタノールの製造工程において、最もエネルギーを消費する脱水工程を、従来方式から膜分離方式に置き換え、大幅なエネルギー削減を図る。

2つ目は、同じく次世代クリーン燃料として注目されている、水素とCO2を原料とするe-メタノールの製造における脱水工程を膜分離方式に置き換え、消費エネルギーの大幅な低減を図る。

三菱重工業はメタノール製造プラントをはじめとした、国内外における多数の化学プラント納入実績や、これまで培ってきたメタノールおよび各種化学品のハンドリング技術に関する深い知見を生かす。また日本ガイシは、化学プロセスや浄水分野で培った固液分離膜技術と独自の成膜技術に基づき、分離精度と耐久性に優れた世界最大級のセラミック膜に関する深い知見を生かす。バイオエタノール、e-メタノールともに、クリーンな燃料・原料として将来的な需要拡大が見込まれることから、同システムの早期実用化と安定供給体制の構築を目指して共同で開発を推進していく。

バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビを主な原料とする植物由来のクリーンな燃料として、米国・ブラジルを中心に自動車燃料として広く利用されているほか、SAFの主要原料の1つとしても期待されており、今後の需要伸長が見込まれている。またe-メタノールは、主に船舶を中心に次世代クリーン燃料として注目されており、世界的な市場拡大が期待されている。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です