【知 識】パナソニックとリオン 補聴器を共同開発
パナソニックくらしアプライアンス社(以下 パナソニック)とリオンは、互いの強みを活かして次世代の補聴器を共同開発するアライアンスを締結した。
厚生労働省(※1)によると日本の総人口1億2,495万人に占める65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29.0%であり、先進諸国の中では最も高齢化が進行している。また世界保健機関(WHO)(※2)によると、日本の男女平均寿命(84.3歳)と男女健康寿命(74.1歳)はともに世界一の水準だが、平均寿命と健康寿命の間に約10年の差があり、認知症を含む様々な要因(※3)により、長期にわたり自立した生活が送れないことが社会問題となっている。
さらに英国の医学雑誌『ランセット』(※4)によれば、認知症の予防可能な危険因子12種類の中で、最も大きなリスク要因が難聴(8%)であるとされ、米国医師会が発行する医学雑誌『JAMA Neurol』(※5)でも、補聴器などを使って「聞こえの悪さ」を改善することで、認知機能低下のリスクが小さくなることがシンガポール国立大学の研究分析の結果として示されている。一方で日本国内の補聴器の普及率(※6)は15.2%と低く、デンマーク(55%)やイギリス(53%)などの欧米諸国と比べても改善の余地が見られる。
パナソニックとリオンは、それぞれ長年にわたって補聴器の開発を手掛け、国内の補聴器市場をけん引してきた。今後、両社の強みを活かして補聴器の性能をさらに進化させて補聴器の普及拡大に取り組み、共に健やかで自立した生活が送れる「健康長寿社会」の実現を目指す。
※1 厚生労働省『令和五年版高齢社会白書』
※2 World Health Organization - The World health statistics 2023
※3 厚生労働省『令和四年版高齢社会白書』
※4 The Lancet Group - Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission
※5 Journal of the American Medical Association - JAMA Neurol. 2023;80(2):134-141
※6 日本補聴器工業会 - JapanTrak 2022 (Source: Anovum)
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