【流 通】ヤマト運輸 越境EC事業者向け海上小口輸送サービス提供
ヤマト運輸は越境EC事業者が利用できる日本向け海上小口輸送サービスの提供を開始した。独自開発した海上小口貨物の輸入通関・保税システム「OBOS」(※1)を活用することで、韓国からは最短4日、中国からは最短5日で日本の購入者へ商品を配達する。
2021年の世界の越境EC市場規模は7,850億USドルと推計され、2030年には7兆9,380億USドルにまで拡大する(平均成長率約26.2%)と予測されている。日本向け越境ECは、SNS普及による個人購買層の拡大などにより、韓国・中国からのアパレルや化粧品などの輸入が毎年増加している(※2)。マニフェストなどを利用した簡易的な輸入申告手続きが適用されている航空輸送が主流だが、昨今の需要増に伴い、海上輸送で輸送コストと温室効果ガス排出量を抑えながら短時間で大量の通関・保税手続きを可能にする仕組みが求められている。
ヤマト運輸は2013年にAEO通関業者として、東京税関の認定・承認を受けAEO制度(※3)に基づく国際物流サービスを提供している。今回、小口貨物の輸出入通関・保税システムの開発で多くの実績を持つリバティコムと共同で、海上小口貨物の輸入通関・保税手続きを円滑に行うシステムOBOSを開発した。OBOSを活用することで、短時間で大量の通関・保税手続きが可能となり、越境EC事業者は、海上輸送を利用して低コストかつスピーディーに購入者へ商品を配達できるようになる。なおOBOSに活用した技術は、特許を出願(出願番号:特願2023-176984)している。
※1 OBOS (オーボス)
Ocean B2C Operating Systemの略
※2 出典:経済産業省「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」
※3 AEO制度
貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者に対し、税関手続きの緩和・簡素化策を提供する制度。AEOはAuthorized Economic Operatorの略
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