【流 通】モリサワと武蔵野美術大学 発達性ディスレクシアに関して共同研究を開始
モリサワと武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所は共同で、「初等・中等教育機関を対象とした個別最適な情報取得ができるフォント環境(レイアウト環境)が整う世界の検証」について研究することに合意した。
共同研究は、文字文化の保全・発展に資する活動を支援する森澤信夫記念財団の協賛を受け、武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科/大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースを中心とした教員、大学院生、学部生および他大学の研究者やモリサワのメンバーが共同で行う。
近年、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの利用で読みの速度が向上するというエビデンスから、発達性ディスレクシア(※ 以下 ディスレクシア)を含む児童・生徒の学習環境の改善などが期待されている。一方、UDフォントの認知は一部に広がっているものの、教育現場で使いたい希望があっても容易に使うことができない組織やシステム上の問題が存在しているとの声も聞かれる。客観的な測定が難しいディスレクシアは、そもそも認識されないケースも多く、また、教員や学校側でも課題への理解が進んでいない現状が見受けられる。
共同研究では対象者を初等・中等教育機関(主に小中学生)として、フォントだけでなく、対象者をとりまく「すべての文字」について考え、文字の読み書きに困難を抱える児童・生徒への配慮を社会が正しく用意するために、教育現場の課題を明確にする基礎研究(ソリューションを作る前の段階)を行う。小中学校の教員へのインタビューを行い分析することで、教員の意識だけでなく、教員の環境によって起こっている現象を明らかにするとともに、教育現場の課題解決のための方向性を、教員の意識、体制への働きかけ、保護者の意識等の観点を中心に明らかにすることを目的としている。この研究は、東京工業大学野原研究室およびコンセントの協力を得て行われる
※ 発達性ディスレクシア
知能の発達に遅れがないものの、文字を素早く、正しく読むことに困難のある学習障害の症状の一つです。英語圏では人口の10~15%、日本語話者の場合は5〜8%がディスレクシアであるといわれている
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