【流 通】住友林業 丸太を活用した軟弱地盤対策工法を始動

住友林業は丸太を活用した軟弱地盤対策工法の第一号物件を2023年8月に着工した。同工法は軟弱地盤に丸太を圧入し地盤と丸太の双方で構造物を支える。木は光合成で大気中のCO2を吸収し、炭素として留め置き、伐採し丸太になっても炭素を固定し続ける。同工法は木の炭素固定機能に注目した「地中に森をつくる」工法で、飛島建設株、ミサワホームと3社で共同開発し、2020年1月に日本建築センターより評定を取得している。第一号物件を皮切りに環境配慮型の地盤対策工法として戸建て住宅や集合住宅、非住宅建築物へ幅広く展開していく。

東京都内で着工した第一号物件の建築地は地下水位が高く、砂質土がゆるく堆積していた。液状化対策として同工法を採用し、約160本の国産カラマツを使用している。林野庁のガイドラインをもとに試算した炭素固定量は約7t(CO2 ベース)で、これは40年生のスギ23本分の炭素固定量に相当する。

同工法は軟弱地盤に丸太を圧入し地盤と丸太の双方で構造物を支える(LP-SoC 工法)。丸太は頭部を地下水位より深く設置し、腐朽や蟻害による生物劣化を防ぐ。圧入した丸太頭部を特殊な粘土で覆い地下水位の増減による影響を回避し、丸太頭部から基礎までを充填材(砕石)で締固め埋戻す。

住友林業は今後、戸建て住宅や集合住宅に加え、事務所、幼稚園、高齢者施設、集会所、店舗、工場、倉庫などの非住宅物件への適用も想定している。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です