【流 通】藤田医科大学 報酬が表情を変化させる神経メカニズムを解明

藤田医科大学医学部と精神・神経病態解明センターの山下貴之教授と吉本潤一郎教授、中野高志准教授らを中心とした共同研究グループは、マウスを用いて、報酬が引き起こす顔の動きに関連する神経メカニズムを世界で初めて明らかにした。研究グループはさらに、報酬の予期と獲得それぞれに伴う顔の動きの2種類を同定し、それぞれの神経機構の一端を解明した。これらの顔運動は報酬に伴う表情変化に関わると考えられ、研究成果は動物の感情の読み取りや各種精神疾患における診断技術の開発に応用されることが期待される。

今回の発見は、顔の動きが脳の内部状態とどのように連携しているかを解明する一助となる。これまで、ヒトや動物の感情を読み取る試みは主に静止画像の解析に頼っていましたが、今回の研究の成果を活用することで、高速撮影による顔運動の解析を通じて感情の把握が可能になる可能性がある。これは、言葉を話すことができないペットや家畜の感情を理解し、より適切な環境を提供する手段となり得る。さらに報酬関連のドーパミン神経はうつ病、薬物依存、パーキンソン病、統合失調症などの多様な精神疾患と関連しています。そのため、患者の顔の動きを観察することで、疾患の状態をより詳しく把握できる可能性がある。したがって研究の成果は、将来的には精神疾患の非侵襲的な診断や治療に寄与する可能性がある。


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