【環 境】サトーとサトーヘルスケア 使用済みのインクリボンを再資源化

サトーとサトーヘルスケアは、全国の顧客を対象に、使用済みのインクリボンを回収し、固形燃料「RPF」として再資源化するサービス「リボンリサイクルシステム」を2023年8月より開始する。石炭に比べ燃焼時にCO2の排出量が少ないRPFの原料としてリサイクルすることで脱炭素と資源循環を推進する。

インクリボンはサトーが製造・販売する熱転写方式プリンターで使用する。同方式はインクリボンをサーマルヘッドの熱で溶解してラベルに転写(印字)するもので、主に耐久性を要するラベルの発行に適している。一方、インクリボンの主原料はプラスチックのため、使用後は産業廃棄物として処分されている。

日本国内の産業廃棄物が焼却時に排出する温室効果ガスは年間3,782万トン(CO2換算)となる。「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」の実現に向けて世界各国が国を挙げて取り組む中、サトーとサトーヘルスケアは、熱転写方式プリンターとそのサプライ品(インクリボンおよびラベル)の双方を販売する企業として、リボンリサイクルシステムの提供を決定した。利用者手許にある使用済みインクリボンを回収し、外部パートナーの日本ウエストで「RPF」へ転換する。

RPFとは廃棄物を原料に製造された燃料で、石炭と比べ約33%のCO2排出量低減効果があり、脱炭素社会へのニーズに応えるリサイクル燃料である。RPFの灰化率(燃焼時に残る灰の割合)は石炭の3分の1程度のため、灰の埋め立て処分を減らす効果も見込める。このサービスを通して作られるRPFは、主に製紙会社が紙を生産する際に使用される予定になっている。


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