【流 通】第一食品とパナソニック 完全院外調理向けトレイメイク自動化システム開発

第一食品とパナソニック コネクト(パナソニック)は完全院外調理の拡大に向け、両社で開発した日本初(※1)のトレイメイク自動化システムを第一食品相模原工場に導入した。

このシステムは病院給食提供において高難易度作業であるトレイメイク工程(入院患者の病態に適合した調理品を組み合わせ、トレイ上に置く工程)を自動化する。病院からの食事オーダー情報をシステムに取り込み、該当する調理品のお皿を自動的に運び出し、最終的に食事が載ったトレイを完成させる。

病院給食は365日3食欠かさずの提供と、さらに朝食の仕込みや夕食後の洗浄作業のため早朝・深夜勤務が必要となり、人材確保が難しく、深刻な人手不足に直面している。一方で完全院外調理は、病院給食業務の大半をセントラルキッチンに集約し、各工程の専門化を図ることで、一般的な病院給食と比較して少ない人員で食事提供を実現している。

病院給食は病態に合わせてきめ細かな栄養管理の元で提供されるため、食事の提供パターンが多岐にわたる。一般的にトレイメイク工程は患者ごとの病態やアレルギーに合わせて多種の調理品を組み合わせることから、約1億通りの組み合わせが存在し、最も難易度が高い。さらに完全院外調理では、セントラルキッチンで数千人分の食事を短時間で集約しての生産と、一層難易度が高く、熟練性を要するためトレイメイク工程のスタッフ育成に時間を要するという課題があった。そこでトレイメイク作業の平易化・省人化を実現する「トレイメイク自動化システム」を開発(※2)し、第一食品の相模原工場に導入した。


※1 2023年6月21日現在、実運用されたトレイメイク自動化システムとして両社調べ

※2 両社共同で1件、パナソニック単独で2件の特許出願中


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