【環 境】大阪ガス ShiptoShip方式の船舶向けLNG燃料供給を事業化

大阪ガスは大阪湾・瀬戸内エリアにおいて、Ship to Ship方式による船舶向けLNG燃料供給事業(以下 LNGバンカリング事業)の事業化を決定した。これは同社では初めてのShip to Ship方式(※1)によるLNGバンカリング事業で、LNG燃料供給船(以下 バンカリング船)(LNG積載量:約1,500トン)が就航を予定している2026年度の事業開始を目指す。

LNGバンカリング事業は、大阪ガスの製造所からバンカリング船にLNGを積み込み、LNGを主燃料とした船舶(以下 LNG燃料船)の停泊地まで輸送し、バンカリング船からLNG燃料船にLNGを供給するものであり、同社がLNGの供給・販売を行う。

大阪ガス100%子会社の大阪ガスインターナショナルトランスポートと、NSユナイテッドタンカー、阪神国際港湾の3社は、国土交通省の令和5年度LNGバンカリング拠点形成事業に採択された。今後、3社の共同出資により設立した大阪湾LNGシッピング(以下 OLS)が補助金交付申請を行い、交付決定後、補助事業のもとでバンカリング船の建造を行う。

バンカリング船はOLSが保有し、LNG内航船運航の豊富な実績を持つNSユナイテッドタンカーが船舶管理・運航管理を、阪神港の港湾運営会社である阪神国際港湾が国・港湾管理者・港湾関係者などと連携し、船舶誘致、船舶用LNG燃料の普及促進を行う予定にしている。

従来、船舶燃料には主に重油が使用されてきたが、世界的な脱炭素化の流れを受け、国際海事機関は、2050年までに温室効果ガス排出量を2008年対比で50%削減する目標を設定した。今後、船舶燃料の低炭素化に向け、LNG燃料船の竣工が多く見込まれている。将来的にはLNGを大阪ガスが実現を目指すe-methane(※)に置き換えることで、船舶燃料の脱炭素化に繋げていくことが可能となる。


※1 Ship to Ship方式

岸壁に係留中・錨地に停泊中の船舶に対して、バンカリング船が接舷してLNGを供給する方式


※2 e-methane

グリーン水素などの非化石エネルギー源を原料としてメタネーションによって製造された合成メタンに対して用いる呼称


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