【環 境】NTTデータ 既存施設で活用可能なラック型液浸冷却システムを構築

NTTデータは、既存データセンターで活用可能なサーバー等のIT機器を液体の中で直接冷却する「ラック型液浸冷却システム」を三菱重工業と構築した。

ラック型液浸冷却システムはIT機器を特殊な絶縁性のある液体に浸し、効率的な冷却を図る、一相式・非沸騰型の液浸冷却方式を採用している。令和5(2023)年3月から5月にかけて実施した、三鷹データセンターEASTでの実機検証の結果、冷却にかかるエネルギーを同社ビル基準において92%削減し、さらに液浸冷却では一般的な「タンク型液浸冷却システム」での課題である運用性も173%向上することが確認された。

この結果を踏まえ、NTTデータは令和5(2023)年度中に、同冷却システムを自社データセンターの実環境へ適用する。三菱重工業が開発した「ラック型一相式の液浸冷却システム」は、上記タンク型液浸冷却システムに比べNTTデータの既存データセンター設備への導入適応性が高く、また運用・保守性、積載多様性、省エネ性を向上させて複雑化する顧客ニーズへ柔軟に応えることを目的として実機による実証を行った。

液浸冷却とは、IT機器を絶縁性のある液体に浸すことで、効率的な冷却を図る次世代の冷却方式である。今回検証したラック型一相式の液浸冷却システム(IT機器に合わせて小型槽をラック内に複数配置)では空冷システムの運用基準におおむね準拠した形で運用をスタートすることができ、導入時の負担を軽減することができる。さらに三菱重工製ドライクーラーと組み合わせる事で、消費電力を大幅に削減する事もできる。


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