【アジア】マルハニチロ 介護食事業で中国に本格進出

マルハニチロは中国現地のグループ会社および現地パートナー企業との協業により、中国市場での生産および販売に向けて本格的な取り組みを開始する。同社は日本国内で2005年から生産・販売している介護食事業の海外展開を図るため、アジアを中心に新たな市場開拓を模索してきた。

中国における65歳以上の人口は、2021年末時点で中国全人口の14.2%に相当する約2億56万人にのぼり(出典:国家統計局)、見通しでは2035年には60歳以上の人口が4億人を超える。すでに高齢社会に突入している中国では、高齢化がさらに進み、今後、高齢者向け食品の需要が高まることが予想されている。

現在中国では、咀嚼力や嚥下機能が低下した高齢者に対し、段階的に粘度や固さを変えた食べやすい食事を提供する病院医療施設は少なく、在宅介護向け商品のラインアップも限られており、今後高齢者向け食品の市場は急成長していく事が見込まれる。

そうした状況下の中国で介護食市場をターゲットに、マルハニチロは日本国内で蓄積してきた介護食に関する知見を生かし、噛む力が弱くなった高齢者にも「食べる喜び」を届けることを目的に、日本企業として先駆けて介護食の中国国内における生産体制を確立し、中国都市部を中心に病院医療、シルバーサービス関連施設と在宅向けの3つの販売チャネルを開拓する。まず2023年3月中旬から各都市の総合病院などの病院医療向けに、2023年6月からはシルバーサービス関連施設向けに販売を開始する。在宅向けも順次試験販売に着手し、事業本格化と拡大に向けて商品開発も含めた取り組みを今後加速させる。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です