【物 流】富士通 物流事業者の増収増益を図る仕組みを配車支援システムでサポート

富士通は、SAPジャパン、尾張陸運と物流事業者の増収増益のための仕組み「合い積みネット」の検討を重ねるに当たって、同社のSaaS型配車支援システム「Logifit TM-配車」を活用し、有効性と実現性を確認した。

物流業界ではトラックドライバー減少や2024年問題が課題となるほか、2030年には全国の35%の荷物が運べなくなるという「物流クライシス」の未来予測が、社会問題として認識されるようになっている。そのため、物流事業者には、限られた車両・ドライバーと労働時間で、トラック車両積載率を向上させ、より多くの荷物を効率良く運ぶことが求められる。

「合い積みネット」は、既存荷主のベースカーゴだけではドライバーの労働時間制約により収益向上が難しい、積載率が数値化できておらず施策が打てないといった課題に対する解決の仕組みであり、ベースカーゴ積載率を可視化し、運行の隙間や帰り便にスポット貨物を合い積みすることで積載率を向上させ、ドライバーの規定労働時間内で既存車両の収益向上をサポートする。本取り組みに、運行中の積載率の可視化と配車計画の精緻化のため、富士通のSaaS型配車支援システム「Logifit TM-配車」が利用され、様々な物流情報(拠点位置、配送先、車両、荷物など)と制約条件をデータとして連携し、車両積載率、実車率を向上させる最適な配送計画を立案する。

この取り組みの実証結果として、尾張陸運の物流拠点における配送貨物情報を元に、帰り便活用と複数荷主を合い積みする配車計画立案を実施したところ、通常配送時と比較して売上が約1.2倍に対し利益は約4.0倍になるといった有効性と実現性が確認された。今後の展開については、「合い積みネット」の物流業界での認知拡大と、物流業務のデジタル化を促進し、ロジスティクス分野での社会課題解決を目指す。


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